2016 ミニろく 最終戦 ショートサーキット

2017/01/03記


2016年12月24日

世に言うクリスマスイブの早朝

我々は今年も富士山の麓におりました



ミニバイク6時間耐久レース シリーズ最終戦

朝6時半での気温2℃

なぜこの日なのか

夏前くらいまでのスケジュールでは12月の上旬だった気がする

途中で日程が変更になって、結局クリスマス

2012年の最終戦は雪降ったもんなあ

しかも今回はショートサーキット

カートコース戦でもキビしいってのにショートサーキットは雪なんか降ったらホントにしゃれにならない

10月の前戦の時点ですでに多くの常連チームが「最終戦はエントリー見合わせましたよ」などとおっしゃってまして

前日にネットで確認したエントリーリストはかなり閑散としたものでした

というか100ccクラスの参加は我々だけかよ

これは寂しい









7時前に会場入りしてとにかく準備

エントリー手続き、オフィシャルによる車両とヘルメットの検査、計測器の取り付け

いつもはひとつのピット枠を3チームとか4チームで共有するのですがエントリー数が少ない今回は1つのピットをすべて独占

超広々で快適無敵

今回これだけは非常に良かった



路面温度がものすごく低いので今回はまじめにタイヤウォーマーも使用しましたよ

新品のタイヤの表面がひと皮剥けるまではかなり滑るからね

スタート前のウォームアップランで転倒ってのは避けたいところ



例によって今回もマシンの仕様備忘録

エンジンは第4戦と同様、ヨシムラパーツの使用をあきらめてほぼノーマルに戻した仕様

カムとピストンだけ変更


このエンジンでこのコース走るのは初めてなので他の部分は結構手探り

かなりパワーダウンしてるってんでコース裏の上り坂がきついかなとは思ったのですが、結局二次減速比はいつもどおりの14:37


キャブもMJ#100 SJ#50のまま

タイヤもいつも通りフロントダンロップ リアブリジストン

こういうのはあまりあちこち一気に変えない方が良いのです



30分のウォームアップランを経て、いよいよスタート



スタート前の記念撮影

整列開始から実際のスタートまでかなり時間がある上に、コース上にはタイヤウォーマー持ち込み禁止

整列しているあいだにタイヤが冷える

嫌だなあ




今回のスタートライダーは珍しく舟超氏

スタートと言えば烏賊の青と、周囲のチームに認識されているほどには定番だった青いツナギのNORY君は今回最終ライダーという布陣

あれ?どうしたの?なんて周りに訊かれたりして

過去2回連続NORY君スタート5分でエンジン壊れてリタイアしてるもんでね

まあ験担ぎよ




ということで今回も公式発表の計時データを元にIT担当NORY君がまとめてくれた資料をもとにレースを振り返ることにいたしましょう



9:30 スタート



今回の出走は全クラス合わせて17チーム

4スト100ccオープンクラスへの参加は我々のみ

他には2ストの50ccおよび85ccクラス、ノーマルのNSFクラス、あとは輸入車の150ccクラスてとこか

走行ペースが異なる多くの車両がコース上にひしめき合うのでいつもなら接触などのトラブルも多いのですが

さすがに17チームとなりますと空いてます

ガラガラです



避けた先に別の車両が、なんてこともなく、レースは淡々と進みます

いつもなら転倒などのアクシデント処理のためにレース中断なんてのがちょこちょこ入るのですが今回はほんの数回



スタートの舟超氏からふぢやんに、そして私、NORYへ

30分サイクルで淡々と回していきます









エンジンのパワーダウンは顕著

上らない

とにかく坂を上ってくれない

今まで37秒台とかで回れていたこのコースですが38秒台がやっと

遅い前走車を力任せに追い越すってことができない

結構しんどい

それでもまあエンジン壊れて途中でリタイアするよりは、ね




今回はフロントブレーキのディスクとパッド、マスターシリンダーのピストンを新品に交換しました

タッチは良好

重要なボルトの締め忘れで前の週の練習の時にひどい目に遭いかけました

声に出しての指さし確認は大事だねやっぱ

今回は作業した自分だけじゃなく他のメンバーにもチェックしてもらいました

安全第一






大きなトラブルも無く



淡々と



ただただ淡々と周回を重ねます






このコースは3年前、私が背骨5カ所を折り、右の足首を粉砕骨折した場所

正直、怖いんです

レースの前日まではいつも「中止になってくれないかな」と考えてるんです




ホームストレートを5速全開で駆け抜けて全開のまま左の1コーナーに飛び込む

路面は傾斜を変えてわずかに上り、次の右2コーナーのクリップ直前を頂点に3コーナーに向けて再び下る

1コーナークリップからは盛り上がった路面に隠れて2コーナーのクリップは視認できない

記憶を頼りに左から右に車体を切り返して見えないクリップに飛び込む



ここで2コーナークリップの位置を勘違いした

1コーナーを全速で抜けてマシンを起こしたら、そこに2コーナーのイン側縁石があった

2コーナー外側はエスケープゾーンの少ないコンクリートの壁

フルブレーキ

縁石でフロントタイヤがジャンプ、着地と同時にハンドルが急激に切れ込んでロック

バイクによる一本背負い



右にひねられながらの前転

ひねられる瞬間にステップに引っかけていた右足首が粉砕された

アスファルトに叩きつけられた時に背骨がいった



今でも鮮明に覚えている

恐怖もある





どうせ強くは使わないからと油断してブレーキレバーに人差し指一本しかかけてなかったことを悔いました

緊急回避のための制動力が足りなかった

やってみればわかっていただけると思いますが人差し指一本でブレーキレバー握り混んでいる状態のまま、中指をレバーに追加するのは無理なんです

中指一本から人差し指を追加するのはできるんですけどね



あれ以来、ブレーキを使わない局面でもレバーには常に2本指をかけるようにしました

その指が1コーナーの進入でどうしても動いてしまう

ここはブレーキは要らない、全開のまま一気に飛び込め

その方がその後の3コーナーまでのつながりもスムースになる

頭ではわかってる



でもどうしても1コーナー手前で減速してしまう

今なお痛むあの時のケガの痛み

その後のリハビリの辛さ

2コーナーへの恐怖心

ラップタイムが伸びない



参加17チーム

ガラガラに空いたコース

いくつかのチームがトラブルで脱落していき、コース上はさらにクリアに

リハビリには最高の状況じゃないか





ここは海と同じだ

危ないことをしなければ危なくはない

1コーナーは全力でいける

1周回るのに38秒

38秒ごとに自分に言い聞かせる

ちゃんとやれば大丈夫

なんども

なんども




開けろ

戻すな

体軸をしっかりインに入れて

このタイミングで起こして軽くブレーキしつつ、右に切り返し

ほらできた



全開で入れるようになったのはレース終盤、私の最後の走行が終了するほんの10分ほど前のことでした

バイクはやっぱ楽しい







日も陰り始めた15:30



最終ライダーNORY君が無事おつとめを終えてコントロールラインを駆け抜ける








エンジンは6時間もった

人間はもったかどうかと問われると若干怪しいところ







上位を走っていたチームが櫛の歯が欠けるように一台一台トラブルで脱落していって

終わってみれば総合3位



止まることなく淡々と走り続けたカメさん入賞

2015年4月以来というほぼ2年ぶりの完走

長かった、ここまで








ラクするだけが遊びじゃない

しんどさの先にある楽しさ

痛いとか苦しいとかそういのをこらえてこらえて走りきったその先にある満足感



バイクに乗れる幸せ

この遊びを知ることができた幸せ

自分はまだ走れる



常連組の皆さん、来シーズンもよろしく


もどる

inserted by FC2 system