振り返りますと、港に来ている市の水道管のキャパが異常に小さい、ということに端を発し
港に来ている温泉をなんとか水道水抜きで温度を下げようなんて工作をはじめたのは2007年とかの話
うあもう8年前だ
これまでの記事を読んでいただければご理解いただけると思いますが、それこそ試行錯誤の連続でしたよ
ある程度完成したあともいろいろと手直しを続けまして、もう現在のバージョンがいくつなんだか数えてもいねえ
最初はこんなでした
パイプに細い穴をたくさんあけてシャワーのように落とす
これを竹ホウキを分解した枝を束ねなおしたもので受けるようにして
温泉の吹き出し口を「霧のいけうち」製の均等散布ノズルという製品に変え
竹ホウキバラした物てのはどんどん腐って無くなっていくってんで半年に一回は何日もかけてこれを作り直さないといけない
面倒だってんでプラスティックの模造竹でスノコ作って入れ替えたり
で、今回は網
急に風が出てきた時に、意外と重たいあの竹のスノコは女性スタッフだけしかいない時に撤去が出来ない
なんとか軽量化して女性スタッフのみでも撤去が可能なようにして欲しい、との要望を受けまして
沖で漁に使っている網の形状を改造した際に出た端切れをウチの親方から提供してもらいまして、適当な寸法に裁断
切った端は放っておくとバラバラにほどけてきますので折り返して糸で止めます
これが異常にめんどい
今回使用した網が縦45目の横300目
というか横100目の網を3枚なんでそれぞれをまずつなぎます
一枚の網になったところで端を折り返してこのように糸で止めていくわけですが、網の目に合わせてひと目ひと目縛っていかないといかんわけで
横300目ということは縛る箇所はその2倍、600カ所
それが網の上下にありますから全部で1200カ所
第1温泉丸と第2温泉丸がありますのでさらに倍
気が遠くなるね
普段なら乗組員数人で手分けして一気に仕上げちゃうような案件なんだけども
今回のこれは漁師としての本業にはまったく関係ない仕事
朝の水揚げが終わってから一人でチクチクやってたらゴールデンウィークがほとんど終わってました
一銭にもならないってのによくやったよ我ながら
で、上下にステンレスの物干し竿を通しまして、上端に付けたロープでキリキリと
風が出てきた時にはそのロープをほどけば網を下に降ろして風を避けられる、と
上のノズルから噴き出した温泉の湯滴は網の繊維にぶつかったあとゆっくりと伝い降りていく間に外気にさらされ、気化熱を奪われて温度が下がります
確認したところプラスティック竹のスノコよりも冷却能は高い模様
あとはいろいろな状況で運用してみて不具合があればまた手直し
今年のゴールデンウィークもまた無駄に終わってしまった
そういやこの冷却ユニットを見た方から「特許取れば?」なんて事をひんぱんに言われますけどね
ええ、そらもう「そのセリフを言うのはお前で100万人目だ」というくらい頻繁にね
ですが、これ自体が特許庁で公開している資料からヒント得て作ったもんですからして
すでに手遅れといいますか
とっくに特許取得されてます
ええそうです二番煎じです
残念、とw