ウェットスーツ


僕自身いろいろな種類のスーツを着たことがあるわけでもないのですが。

まぁ、思うところをボチボチと。


スーツはフィットするかどうかが大事

ウェットスーツってばダイビングに使う器材の中で何を置いてもまずは最初に手に入れるべきもの。と、僕は勝手に思っとります。

脚ヒレやレギュレーターなんかよりも先、です。


体に合ってないスーツはなんといっても寒い。

レギなんか空気が来ればいい。脚ヒレなんか履ければそれでいい。どんなモノ使ってもそこそこのレベルで活動はできる。

でもスーツだけはどうにもならない。自分の体にピッタリと合っていないと体とスーツの隙間に水がどんどん入ってきてとっても寒い。

ちうわけでスーツを買うときはちょっとくらい高くなってもオーダーメイドで作るべし。絶対暖かいから。






どんなスーツがあるのかな?



さて、このスーツというのにも素材やデザインがいろいろとありまして。

一般的に出回っているウェットスーツは発泡ゴム(ネオプレーンってやつね)をカラフルな布でサンドしたもの。ジャージとか呼ばれてます。

こいつの利点はデザインの自由が利くということ。

ゴム自体に色をつけるのはいろいろと難しいわけでして。でも、どうせダイビングするのならカッコイイスーツを着たいというのはやはり人情なわけで。

というわけで表面に貼る布に色をつける。これでカラフルなスーツが作れる。

あと発泡ゴムには非常に裂けやすいという欠点がありまして、表面に丈夫な布をはることで、脱いだり着たりするときに破れにくくなるってのもあります。



じゃ、デメリットってなんだろう、ってぇと、素のゴムにくらべて伸び縮みがきかないというのが最大の欠点。

いくら工夫してみたところで布は布。ゴムにくらべれば伸び縮みはききにくい。

関節周りが伸び縮みしないということは動きにくいということ。そして体にピッタリとしたスーツでは脱いだり着たりがとても大変になってしまうということ。

それを解決するために袖とかにチャックをつけたりもしますけど、チャックというものは基本的に水を通すので付けないで済むのなら付けないに越したことはないんです。チャックが多くなるほどやっぱり寒くなるから。




というわけで根強い人気を誇るのが布をはっていない「スキン」と呼ばれるウェットスーツ。

こんなの→

6.5mm厚の生地で作るものがポピュラーなので、スキン=ロクハンという呼び方もされています。

チャックは無し。脱いだり着たりにちょっとコツがいるけど動きやすいし暖かい。しかも安い。

真っ黒のみでデザインもへったくれもないというのが人によっては難点なんでしょうが、僕はずっとこれ使ってます。

真鶴にあるUGOというお店のオヤジさんはホントに職人肌。こっちの細かい要望にもていねいに対応してくれる。ありがたいことです。

個人でやってる小さい店なので量販店のように激安とはいきませんが、気が向いたら作ってもらうが良いさ。てことで電話番号は0465-69-1378だ。





そういえば。

ちまたでは何やらいろいろな説があるようですが。

「ロクハン」は無敵の最強スーツではありませんよ。

保温力だけを比較したらドライスーツの方が暖かいだろうし、サービス業で潜ってる方にしてみれば海から上がって、ざっとシャワー浴びるだけでさっさと陸上での仕事に移れるってのは大きなメリットだと思います。

いくら暖かいっていったって着たり脱いだりするときには冬だろうがなんだろうがやっぱり水着にならなきゃならんのですよ、ウェットスーツってやつは、ね。

多少の寒さを我慢してでも水中での動きやすさを優先したい。ロクハンってのはそういうときの選択肢なんだと思うんですよ。

どちらが暖かいか、なんてドライスーツと比較するだけムダ。

何を選び、何を捨てるかってことさね。




「暖かいスーツ」のコツ



最近は新素材ばやりでいろんなものが出てるようですけど。

効果のほどというとこれがまたなかなか・・・・実際のところロクハンだろうが普通のジャージのスーツだろうが中は同じ発泡ゴム。そんなに違いはないと思うんですよ。



じゃ何でこんなに暖かさが違うのかってやっぱりスーツの中に入ってくる水の量なんじゃないかと。

ジャージのワンピースなんか着て泳いでみると首の後ろの辺りとかから水がガンガン流れ込んでくるわけで。

チャックなんかがついてるとそこからスカスカと水が流れ込んでくるわけで。



あ、別にロクハンじゃなくちゃダメって言いたいわけじゃないですよ。

寒さの原因になる首周りからの水の浸入は上着をフード一体で作ってしまえば防げるわけで。

手首や足首からの水の浸入はそこにチャックを付けずにピッタリとフィットさせれば防げるわけで。

チャックを極力減らし、スーツの内側への水の流れ込みをできる限り少なくする。って考えていくといわゆる「ロクハン」のデザインになってしまうってだけの話。

「ロクハンが暖かい」ってのはそういうわけなんだと思うんですよね。


最近ではワンピースだけど背中に防水のチャックを使った「セミドライスーツ」なんてものもあるそうで。

これも水の侵入が少ない分かなり暖かいそうですよ。

やっぱりロクハンがすべてってわけじゃないんですよね。



重ね着ってのもどうなのかな。

じ〜っと動かずにいるときの暖かさってのはたしかに生地の厚さとかに影響されますけどね。

ある程度動き回っているのなら水の浸入の方に気を使った方がいいのではないかと。



何度も言うようですが、別にロクハンじゃなくちゃいけないってわけじゃないと思うんですよ。

重要なのはスーツ内部への水の浸入をどこまで抑えられるかってこと。

フード無しのスーツを持ってる人は、フードだけをかぶるよりも、フードとベストが一体になったアンダーとかを着た方が暖かい。首からの水の浸入が抑えられるから。

手足が寒い人はスーツの生地でリストバンドみたいの作るだけでずいぶん違うはず。



水がガンガン流れ込んでくるようなスカスカのジャージのスーツしか知らずに「ウェットスーツは寒い」と言ってる人。

別に高い金出してスーツ買い換えなくても工夫次第でもっともっと暖かく潜れると思うんですよね。






苦労してる方が多いようなので



スキン生地に限らずスーツの着脱には苦労されている方が意外と多いようで。

なんで着づらいのかっていうとそれは「滑らない」から。

ただでさえゴムはすべりが悪いのに、ピッタリとフィットするように作ってるのだから始末が悪い。

ということで着るときにこの摩擦を無くすというのがポイントなわけです。



さて、この摩擦を無くす方法、専用のパウダーを使うとか、水の中で着るとか、いろんな方法がありますが。

ちゃんとできてる人って意外と少ない。デス。



まずは着るとき。

着るときにどこがひっかかるのかってぇと、体とスーツの間。

だからここの摩擦を減らすためにパウダーを使ったり水を浴びたりする。

パウダーはともかくとして、水でチョボチョボと濡らしたくらいじゃスーツは滑りゃしない。ジャージのスーツに至っては濡れたらよけいすべりが悪くなる。



なんで水で着れるのか。

大量の水を体とスーツの間に送ることでスーツを体から浮き上がらせる。それが目的。

スーツと体が触れなければ摩擦は働かない。そういうこと。



シャワーなんかでチョボチョボ水かけるくらいじゃいつまでたっても着替えは終わらない。

スーツの外側にシャワーかけてたりするのは問題外。

水をできるだけスーツの内側に流し込んで、その水が抜けてしまわないうちに一気に着る。スポンとな。





スーツを脱ぐときは普通裏返しになるようにクルクルと脱いでいく。体とスーツは滑ることはない。

ここでひっかかるのは折り返したスーツの生地同士。

だからここを滑らせる。

着るときとは反対、こんどはいくらスーツの内側に水を送り込んでも脱ぐことはできない。

スーツの外側に水をジャバジャバかけながら一気に脱ぐ。


個人的にはロクハンとかの上着はシャワーで脱いだ方が楽なように思う。

で、ズボンの方は逆に水槽なんかの溜まり水で脱いだ方がやりやすいかと。




ちうことでまとめ。

着るときはスーツの内側に水を送る。

脱ぐときはスーツの外側に水を送る。

どちらもひっかかる部分を浮き上がらせてくれている水がなくなってしまわないうちに一気に勝負をかける。




ためらったら負け。だ。






ロクハン入門



先日、いつもお世話になっているウェットスーツ屋さんがぼやいておりました。

「最近ロクハンが欲しいって方が増えてきてはいるんだけど、着かたがわからないってんで尻込みしちゃうみたいなんだな。」と。



ちうわけで、知ってる人にとっては常識、でも知らない人にとっては教えてくれる人がなかなかいないというロクハンの着かたをあれこれと。


まずは着かた

で、脱ぎ方



結局はね、習うより慣れろってことなんですよね。

みんな最初は着れなくて、脱げなくて、ビリビリ破いて、そうやって自分で覚えていくものなんですよ。



ということはここまできたら破けたスーツの修理の仕方とかも書かないといけないのですが・・・

ま、気が向いたら追加するちうことで。


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